虚の筏20号に詩「叛旗 ―『北』字解」掲載
洪水企画刊 「虚の筏」20号(2018.1.10発行)に、詩「叛旗 ―『北』字解:北海道開拓150年に寄せて」を寄稿しました!
写真は印刷版ですが、電子版(PDF)が無料配布されていますので、上のリンクからご覧ください。
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「北」という漢字は、もともと「背」(体の後面)を意味していました。昔、帝王は南面するものと決まっていたため、その背後にある方角も「北」という字で表すようになり、やがてそちらがメインになっていって、肉体の後面を表すときは「背」という字を使うようになったそうです。
なお「背」は「せ」の他に、「そむく」という訓を持っていますね。相手に背中を向ける、つまり反抗的な様子も派生的に意味しています。
ということで、詩の中にこれでもかと「北」と「背」と「そむく」を詰め込んでいるのですが、まあそこは、気づいても気づかなくても結構です。
伝えたいのはもちろん漢字トリビアではなく、今から150年前、旧幕府についてしまったがために明治新政府から「逆賊」と汚名を着せられた人々が、どんな思いで北の大地に渡り、逆境を生き抜いたのかということ。
そう、今年は、蝦夷地に開拓使が設置されて「北海道」という名前が生まれてから150年という節目に当たるそうです。別にそれを意識したわけではないのですが、たまたま前年である昨秋にこの作品を書き上げたというのも、何かの巡り合わせというものでしょう。
巡り合わせと言えば、本作を書いた直後に「札幌デザイン開拓使」という展示会で開拓使の幻の旗章を見ることになったのも、偶然とは思えないタイミングでした。
札幌国際芸術祭の一環で開催中の展示会「札幌デザイン開拓使」見学。
ちょうど、明治期の北海道開拓をテーマに(しかも北極星をモチーフに)詩を書いたとのばかりなので、つい開拓使の旗章にまじまじと見入ってしまいました…。 pic.twitter.com/gft08YV8nI— 二条千河(NIJO Cenka) (@nijocenka) 2017年9月19日
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今号の執筆者は二条のほかに、
坂多瑩子さん、たなかあきみつさん、平井達也さん、酒見直子さん、編集発行人の池田康さん。
洪水企画のサイトにはバックナンバーも掲載されています。1,6,10,13号以外のすべての号に寄稿していますので、よろしければぜひお時間のあるときにでもお目通しいただければ幸いです!
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