詩素11号に詩「地下茎」掲載

   2022/08/29

洪水企画刊「詩素」11号に、 詩「地下茎」が掲載されました!


2021年11月1日発行の「詩素」11号、拙作はpp.40-41に掲載されています。

こちらは5月に出演した「MIDNIGHT POETS:24時間オープンマイク」で朗読したのが初披露で、今回ようやく文字で発表できました。
二条の書いたものにしては、割と身近でわかりやすい作品になっているかと思います。

実は昨年から家の裏で小さな畑をやっていまして、しかし畑というには作物よりも雑草の方がハバをきかせている有様で、中でもスギナは縦横無尽に地下茎を張り巡らせています(春はツクシが食べ放題)。
その地下茎を引き抜いている時に「花など咲かせている場合ではない」という声が妙にはっきりと聞こえまして、本当は宿敵なのだけれども、こうして詩にしてしまった時点で私はすでに征服されてしまったのかもしれません。

さて毎号のお楽しみは、執筆者同士が作者名を伏せられた状態でお互いの原稿を読み、投票し合って巻頭掲載が決まるアンケート方式。
ありがたいことに今回は5名の方々に票をいただきました。以下、頂戴したご感想を抜粋してご紹介します。

「いつの時代も、おおよそ”幸せ”のビジョンは決まっている。それは多くの者の憧れと共感を呼び起こし、誰もがそれを目標とする。(中略)しかし、果たしてそれが本当の幸せなのか。それを手に入れた者さえ誰にもわからない。何が正しいのかわからないこの時代に、世間から押し付けられる幸せの肖像ではなく、自分自身の幸せを探すことの必要性を、強く問いかけられているようだ」(七まどかさんより)

「きっと『やさしい者たち』の奥にも見えない地下茎が蔓延っていて、『臆病で傲慢』な善意は、それを見ないふりをすることからなのかもしれない」(酒見直子さんより)

「ストレートな表現になっています。その分深みがどうだろうというお話もあるかもしれませんが、こういう作品もあってよいように思います」(菅井敏文さんより)

「(愛でる者もない土の奥できみは)から(花など咲かせている場合ではない)までの五行に、ニンマリ共感。蔓延れ!と自分にも言い聞かせたくなった」(山中真知子さんより)

「人生において何かを達成することはすばらしいことと思いますが、人に見せられる、人に愛される達成である必要があるのか。この詩を読み、その必要はないのだと悟りました。ところが、人に見せられるような目標達成をしなければならないという概念に苦しめられている人たちは、案外多いのではないかと思います。それが『やさしい声』の脅迫であれば、なおさら。最後の『花など咲かせている場合ではない』という行に強い説得力を感じます」(南川優子さんより)

なお、巻末の「近況雑感」コーナーに、8月に開催された高嶺格展覧会「歓迎されざる者〜北海道バージョン」についての短いレビューも寄稿しています。
また拙著『亡骸のクロニクル』についての紹介文(出版社公式ブログからの記事転載)もp.75に掲載されています。

掲載誌の公式情報はこちら
定価は税込500円、ご注文は発行元の洪水企画までどうぞ。

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